中小企業倒産防止共済は経営セーフティ共済と呼ばれ、スーパーピンチに立ち向かう。

事業をはじめると、小規模企業共済と、経営セーフティ共済と、どちらがよいのかな?って悩んだりすることがあります。

わかり難いですよね。
似てるようで似ていない2つの制度。
そんな時にもしかしたら役に立つかもしれない、経営セーフティ共済のお話。
 
小規模企業共済と、経営セーフティ共済、2つは主たる目的が違っていて。
小規模企業共済は、お仕事を廃業する時に向けた制度。
経営セーフティ共済は、倒産など経営の危機に備える制度。
表現を変えると、やめる時の助けになる制度と、続ける時の助けになる制度の違い。

初年度に経営セーフティ共済は契約できませんが、まずどっち?というと小規模企業共済のような気がします。
事業をはじめれば時にピンチはありますが、最初は無理をしない範囲で事業を進められる方がよいかなと思います。
 
 
節税面ではどちらも税控除がかかりますが、もともと小規模企業共済は退職金に充てることを目的とした制度でもありますので、退職金控除が適用できます。
ですので受け取る時に税金を控除する仕組みが使えます。

対して経営セーフティ共済は受け取る時に使える控除の制度がありません。
預けた額の10倍までの借入れができる(借入れなので当然返済が必要)など、別の特典がありますが税務上は受け取る時に利益として計上されます。

えー?それじゃあ経営セーフティ共済って便利じゃなくない?
というと、うーん。貯蓄目的に期待すると使いにくい制度に見えるかも知れません。
経営セーフティ共済の本来の目的は、

スーパー・ピンチに無担保・無保証人でお金を借りられる制度だからです。
 
 
もう少し順を追って説明すると。
まず経営セーフティ共済を使った節税をひとことで表現すると、「売り上げ」を金庫に預ける仕組みです。

「売り上げ」をそのままにすると、利益になって課税されてしまいます。
でも経営セーフティ共済という金庫に入れておくと、利益がないので課税されないのです。
解約して全額金庫から引き出す際には「売り上げ」として戻ってきます。
「売り上げ」として預けておいたので、戻ってくる時も「売り上げ」のままなのです。

当然「売り上げ」ですから経費などの損金をぶつけることで利益を減らすことができます。
つまり、赤字ができたタイミングで課税される「売り上げ」に戻して相殺してしまえば、課税されない「売り上げ」化することができるのです。

個人事業主ですとちょっと難しいですが、法人ですと給与支払いやボーナスの支給、設備投資などで損金を作りやすいので、扱いは格段にあがりますよね。
 
 
経営セーフティ共済から「売り上げ」を戻す方法。
つまり、資金を得る方法は3つあります。
「共済金の借入れ」と「一時貸付金の借入れ」、あと1つは「解約」です。

「共済金の借入れ」とは、
限度額が掛け金総額の10倍まで、無担保・無保証人で融資を受けられる制度
表現を変えると、掛け金を担保にしてより大きなお金を貸して貰える仕組みです。
融資額の10%が費用として必要になります。
経営セーフティ共済の掛け金の上限が800万円なので、8,000万円まで融資が受けられ、その場合は(費用として10%の800万円が費用に使われ)掛け金が0円になります。

「一時貸付金の借入れ」とは、
年0.9%の費用で掛け金から資金を借りる制度
表現を変えると、掛け金の中から一時的にお金を借りる仕組みです。
払込期間によって上限が少しずつあがりますが、最大でも掛け金の95%までに設定されています。
意外と見落とされていますが、費用0.9%で経営セーフティ共済という金庫に入れた「売り上げ」が(借入れとして非課税のまま)一時的に利用できるスゴイ仕組みです。

「解約」とは、
それまで経営セーフティ共済に払い込んだ掛け金を全額引き出すことができます。
「解約」には注意点があり、払い込みが12か月未満だと掛け金が戻らず(ゼロ円になるという意味です!)、払い込みが40か月未満だと解約時の掛け金が目減りしてしまいます。
逆に言えば、3年4ヵ月払い込めば全額任意のタイミングで資金を受け取れることになります。
ちなみに経営セーフティ共済は一度解約しても再度契約が可能です。
 
 
経営セーフティ共済に関してもう少し補足すると、前納という制度があります。
これは年間の支払いをまとめて納める制度で、毎月5日までに書類を届ければ27日(だったかな?)に引き落としが行われる制度です。
前納した金額はその年の課税対象から除外することができます。
0.5%ですがキャッシュバックもあります。

が。この制度、実はビックなトラップがあります。
前納の仕組みは自動継続されないため、1年後には月払いに移行します。
そうなんだー、それならそこから毎月払えばいいだけだから同じだよね!って思うと、実は違います。
前納制度は「そこから1年分」の支払いをまとめて行う制度です。
1年分の「売り上げ」の非課税効果は1年前にうけており、そこから1年経つと、同じように「売り上げ」が1年分貯まっています。

たとえばえーっと。
毎月1万ずつ「売り上げ」が出るのがわかったので、毎月1万を経営セーフティ共済に入れようと考えました。
2019年の1月から2019年12月までの12か月分12万円、月1万円計算で2018年12月に前納したとします。
その後、2019年には月1万ずつ売り上げが出ていたとします。
そして2019年の12月には前納期間が終わり、2020年の1月から月払いに移行することになります。
単純に計算すると、ここまで売り上げが12万円出ていますので、当然、2019年度の売り上げは12万として課税されます。

あれ?何か変?!

前納の制度は次年度の経営セーフティ共済への払い込みを本年度行い、本年度の「売り上げ」から金庫にしまう制度。
言い方を変えると前納制度とは、1年後の非課税枠を今使う制度なんですね。
だから毎年続けて前納を行わないと、月払いに切り替わったタイミングで1年分の売り上げが課税されてしまいます。

月の「売り上げ」に変化があまりなく、毎月一定額を経営セーフティ共済にと考えて、最初に前納を選ぶとひっかかりやすいお話だったりします。
別に罠にはめよう的な仕組みというわけではないのですが、前納から月払いに切り替わるタイミングでは1年分の支払い期間の空白が空いてしまうことを配慮しないとだめだよっていうお話でした。

あ、あと経営セーフティ共済は営業していることを証明する必要があるため、最低1年は働いて納税の実績を作る必要があります。
申請時に昨年度の確定申告の写しの提出が求められます。
イータックスを使っている場合はその時の資料のプリントアウトでも大丈夫です。
法人の場合は法定調書も付け加えておくと良いかもしれません。
分量的に窓口のひとは嫌そうな顔をしますが。(スマイルは0円でも売り切れる)
 
 
トワナナさんの拙い理解ですが、ぼんやりと経営セーフティ共済のことが伝わりましたら幸いです。

あれ?
カテゴリ上「投資スキ」になっているけれど、ちょっと変かな。
うーんと、未来への投資ということで、綺麗に締めちゃおう。