土曜日なので投資信託とETFの複利効果の違いを考える。

ずっと疑問だったことがあって。
日本の投信(非上場投資信託)はETF(上場投資信託)よりも投資効率が高いという話題。
複利のお話です。
広く言われる当たり前に疑問があって。

これ、色々なところで話題にされる方がいらっしゃるので、改めてわたしの拙い説明も必要がないのですが。
前提もなしにお話するのもアレなので簡単に。

ここでは非上場投資信託のことを投信、上場投資信託のことをETFと呼ぶことにしますね。
たぶん、世間でそんな扱いで呼ばれているようですので。

さて。
複利とはなんぞや?というと、
株から出る配当や利益を使って更に株を購入すると、保有する株(の総数)が増えるから更に購入分にも配当や利益がのってドンドコ増えるよね的なお話。

うん。
毎月のお給金を貯金したら利息分が増えて、元本がアップする。だから次にもらえる利息は増えるよねっていう感じ。
なんとなくわかる。

ここまではOK。(おっけい?)

上で書いた「株から出る配当や利益を使って更に株を購入する」というプロセスを、運用会社の中で行うのが投信。
投資家の個人が行うのがETF。

という表現をするとわかりやすいかな?

どちらも税金を納める必要があります。
ですが法人には経費を損金として扱う制度があります。
ん?経費って何に使うの?というと、経費として株を購入出来たりします。
つまり、「株から出る配当や利益を使って更に株を購入する」というプロセスは、法人にとっては損金として経費計上できるのです。
経費計上できるとどうなるかというと、利益になりません。
株からの配当や利益分、株を買ってしまえば課税されないということです。

やったね。

対して投資家個人で行った場合。
「株から出る配当や利益を使って更に株を購入する」というプロセスは、経費計上できません。
個人には経費という控除枠がないからです。
個人事業を営み経費計上できるものに使うという選択肢はここではおいておきます。
何故かと言うと、株を追加購入できないのであれば比較対象にならないからです。
株を買うというプロセスを損金として扱えませんので、当然課税されます。
ここが、投信の方が投資効率が優れているといわれる理由です。

ははぁ、なるほど。
確かに法人の経理内で損金計上できるのであればお得だよね。
ここまもOK。(おっけい?)
 
 
本題はここから。

で、ですね。
その投信が「株から出る配当や利益を使って更に株を購入」を行った株ってどこにあるの?というお話。

投信を契約されている方はじぶんが購入されている「口数」というものをご存じだと思います。
投信などの有価証券は「口数」が単位として扱われ、それは価値、「基準価格」が変動しても変化しません。
資産評価額も、分かり易い計算は「口数」×「基準価格」で行われますよね。

普通に想像すると、投信が「株から出る配当や利益を使って更に株を購入」を行った株は投資家個人の保有する「口数」が増えるのであろうと想像します。
何故かと言うと、そうでないと複利の前提が壊れるからです。
保有する資産に対して配当や利益がのって、更にそれに対して配当や利益がのる。
だから一括投資は効率がいい、初期の時点で大きな複利効果が見込めるから。
そんな説明をしますよね。
証券会社や銀行、多くのブロガーの方々は。

でも。

投信が決算をして、その後の口数を確認したことはありますか?
じぶんが購入した覚えのない口数の増加がありましたでしょうか?
(配当金を出さないタイプ、名の通ったほとんどの投資信託では口数の買い付けはされません。)

多くの方は確認をされていないそうです。
確認した方は疑問に思うのです。

あれ?
増えてないよ。って。
配当再投資って設定しているのになんで?って。

そこで気づかれた方々は考えます。
詐欺でないのを前提として、運用会社が投信に対する複利をどのように実現しているのか。
投信が保有する株が配当や利益を出した場合、利益計上してしまうと課税されてしまいますので、当然損金扱いにする必要が出てきます。
最低でも他の損金をぶつける必要があります。
であれば、少なくとも株を追加で購入はするのでしょう。
そうすると投信の基準価格があがります。

あれ?
なんで基準価格があがるの?というと、投信が発行している口数が同じで、保有する株数が増えるからです。
ちょっと大げさに表現すると。
いままで投資家の個人が保有する有価証券の口数に対して株が1対1で割り当てられていた場合、運用を続けた過程で割当てられている株数が1対1.1だったり、1対1.5、更には1対2にあがっていくイメージです。
基準価格が2倍になった、それは1口に割り当てられている株が2つになっていると考えるとイメージしやすいですよね。
そういった比率のコントロールを運用会社内で行い、それを複利効果として実現しているのであれば、それは理にかなっています。
先に述べたように法人内での損金の取り扱いで課税を逃れていますので、扱える、追加で購入する株への資金効率は高くなっています。

なーんだ。
やっぱり投信の方がお得なんだよね。
よかったー。

で、終わらないのが今回のお話。

はて?何が問題なのだろうと考えてみると、1つ気になる点が出てきます。
上の考えが合っていた場合、つまり「運用する投資信託に対して複利効果を働かせている」ということになります。
投資家の個人の保有する有価証券に対しては複利効果がのっていません。

え?でも結果は同じなのでしょう?というと実は違います。
上のように「運用する投資信託に対して複利効果を働かせている」場合、時期が関係なくなります。
単に安い時期のまとめ買いさえしていれば結果は同じになります。
20年続けようと、30年続けようと差はゼロです。
また、投資家の個人の保有する有価証券に対しては複利効果がのっていないので、基準価格が暴落した場合には「リスク分散としての時間効果」もまたゼロに等しくなります。
暴落時に長く積立てしている人が、複利効果のおかげで助かったと思われていた場合、それは複利効果のおかげではなく「平均取得単価」が低くなっていたからです。

ううーん。
つまり、長い期間投信を積み立てても「平均取得単価」を落とせなかった場合、あまり利益は望めない?受け取りの段階で暴落がきていたら損しか残らないこと?といえば大体そんな感じです。

えー、でもETFだって同じでしょ?
あっちは課税までされて損しかないじゃないさーって。
一般には言われています。

言われてる?

まぁ、言われているよネ。
あと単価が高いから買いにくい!とか責められることが多いのかも。

ところが複利観点でみたETFはちょっと事情が変わります。
ETFの複利は配当を受け取った後に投資家の個人が行いますので、課税こそされますが「個人が保有する口数」が増加します。
結果として保有する元本そのものが育ちます。
これが投信とETFの最大の違いです。

複利効果に関してあらためてまとめると。

投信=商品をみんなで育てる
ETF=保有する商品の口数を増やす

この違いをどのように評価するかはこじんにお任せする話題なので「こっちの方がいいよねー」とかまとめるのはやめておきます。
とはいえここまで書いて感想もないのはアレなのでこじん的な感想を書くと。

構造が違う2つを比べて一方の成功例を持ち上げるために他方を一方向の基準で叩くのは、ちょっと間違いかなという気がします。

トワナナさんの好み観点であれば、保有する有価証券を育てるETFの方が好みかも?
資産運用はがんばるものでは無いそうなのです。
なのですが。
がんばって働いて、がんばって節約して、がんばって投資するひともいるよって思うのです。
だから、がんばった感があると嬉しいかなって。

ネー。